5.WWWのつくりかた


日本ではWWWのページをホームページと呼ぶことが多いが、インターネット上でホームページとはWWWの最初のページ、トップページ、インデックスページといわれるページを指す。日本のいわゆるホームページはWebサイト、Web pageというので、「日本の常識は世界の非常識」にならぬよう注意しよう。


秘伝「WWW制作テク」

Niklaus Wirth先生による何にでも応用できる普遍的法則、「段階的詳細化(Stepwise refinement)」で考えると、WWWを作る順番は次ぎのようになる。
1.何をしたいのか決める
2.WWW全体の構成を考える
3.部品を作る
4.HTMLを書く(WWWビルダーでHTMLに変換する)
5.更新のシステムを作る
まず、どんな目的でWWWを作るのか、誰に見てもらいたいのかを考える。どーんと注目を集めるのか、こつこつやるのか、提供する情報は何か、誰を対象にするのかなど、まずは夢の部分を固めよう。
次ぎは (2) だが、デザインのプロでないかぎり全体の構成なんてそうそう思いつかないので、何をやりたいかだけ頭に置いて、まず (3) の部品作りから始めよう。
気に入った絵やイラスト、写真を集め、やりたいこと書きたい文をワープロで書き溜める。アイコンやロゴのアイデアが閃いたら形にして残し、Webを見歩くとき、気に入った構成があったらソースをダウンロードしたりプリントアウトしておく。
ある程度、絵や文が集まったら、机の上に紙を置いてその上に集めた部品をWWWの形に並べてみる。足りない部品は簡単に色鉛筆で描いておいて後で探せばいい。
これで大体の構成が決まるので---決まらなくても強引に結論を出してしまう---集めた部品をデジタル画像にする。自分でイラストや3Dが描ける人はもちろんそれを使うべきだ。なんといってもオリジナリティがでる。自分で書いた絵や写真以外のコンテンツには必ず制作者がいて著作権があるので扱いには注意したい。 気になるときには「社団法人著作権情報センター」を訪ねてみよう。
集めた絵がデジタル化されていない写真や切抜きだったら、友人や会社でスキャナを持っているところを探してデジタル画像に変換してもらう。余裕のある人はスキャナを買ってもいいがスキャナを使う機会はあまり多くないので慎重に考えたい。スキャナがあれば新聞や雑誌の記事を切り抜きしてデジタル化するなどできるが、A4大の記事をスキャナで取り込むと十数MBのファイルになり、これを毎日数枚ずつ保存するのは大変だ。OCRソフトで文字に変換すれば数KBのファイルですむが、スキャニングと読み取り作業に数分、OCRで変換したあとの誤変換の修正で1枚10分以上かかるので覚悟が必要だ。
スキャナの性能は400ppi(pixel per inch)もあれば充分だ。2.5cm x 2.5cmの絵を600ppiで読み取れば1500 x 1500 pixelだが、期待するほどのきれいな絵にはならない。5cm x 5cmを300ppiで読み取っても1500 x 1500 pixelになるが、こちらの方がきれいな絵になる。オリジナルを2倍以上拡大すると汚れた絵になり、画面での表示ならまだしも印刷をすると汚れがはっきりわかる。スキャナは解像度以上に色調、コントラストなどが重要だ。コントラストが甘くて寝ぼけた画像や、逆にコントラストが強すぎて潰れた画像、色調のバランスが悪い画像などは修正に手間がかかる。KODAK、AGFA、FUJIなど色で商売をするフィルムメーカーは色にこだわり、いいスキャナやデジタルカメラを作る。ニコン、オリンパスなどのカメラ屋さんの製品も画像のこだわりがありきちんとしている。

集めたデジタル画像やイラストはPhotoShopなどレタッチソフトでまとめ上げて最終的な絵にする。PhotoShopは最高だが値段も張る。Mac用のGraphicConverter、indows用のHyper Paintなどのシェアウェアやフリーウェアでも一応のことはできる。
ダウンロードのスピードを考え、各ページは50KB程度の大きさになるようにする。10KBのHTML文書と13KBと27KBの絵で50KBだ。思い切って大きなサイズのページにするときは、画像をプログレッシブjpegやインターレスgifなど訪問者に待ってもらえる工夫をする。もちろん、コンテンツ自体の魅力を忘れてはならない。

部品が揃ったら次ぎはレイアウトだ。レイアウトはHTMLで行なう。
骨組みと言うべきHTMLは、PageMillなどのHTMLビルダー(HTML作成ソフト)やWORDや一太郎v7などのワープロソフトのHTML作成機能を使うと簡単だ。文字や絵の配置を整えればHTMLに変換してくれるし違うページや画像などへのリンクもファイルを選択するだけいい。 だがワープロ系のHTMLビルダーはフォントや改行などの不要な指定をうんざりするほど吐き出すのでファイルのサイズが大きくなる。みっともないソースファイルを覗かれると恥ずかしいので不要なコードは削除したい。HTML作成ソフトで表現できないところも多いので、ブラウザで確認しながらエディタやワープロでHTMLを直す。ワープロソフトを使ってHTMLを修正するときはセーブは「テキスト形式」か「html形式」で行なう。
もちろん、はじめからHTMLをエディタで書いても構わない。 初めは取っつきにくくて多少時間がかかっても、修正と確認を繰り返すうちにどこを どう変えればどういう結果になるかがわかってくる。カット&トライがHTMLを覚える 近道だ。
HTMLを駆使してWWW Pageを作るとき使うソフトはエディタとブラウザだ。MacならSympletext、Jedit、Yooeditなど、WindowsならNotePadやWordPad、Mifesなどのエディタがある。ワープロソフトで書いてテキストでSaveしても構わないが操作性が良くないのでエディタに比べると生産性がとても悪い。
エディタでHTMLを書いたらHTMLファイルを一度セーブしブラウザで表示する。ファイルをブラウザにドラッグ & ドロップすればいい。ブラウザに表示されたページが期待どおりのものであればいいが、期待したレイアウトになっていなければ、HTMLを書き直す。直したらSaveしてブラウザの「再表示」をクリックする。再表示されたものが期待のレイアウトでなければ、またエディタに戻って書き直してセーブし、ブラウザの「再表示」を再びクリックとこれを繰り返して煮詰めていく。もちろんエディタとブラウザは両方とも立ち上げた(表示した)状態で使う。スクリーン一杯に表示せず、ブラウザを見ているときに重なったエディタの画面の一部が見えるようにしておき、そこをクリックすればブラウザからエディタに移ることができる。エディタからブラウザに移るときも同様だ。これを繰り返しているうちに、どのようにHTMLを書けば、どのように表示されるかが掴めてHTMLの勘所が分かってくる。
HTMLの構造が理解できたら、GoLive CyberStudioなどのHTMLビルダーでレイアウトを行いできあがったHTMLをエディタで調整し最後にもう一度HTMLビルダーで文法チェックを行うというのが生産性が一番高い。
光るwebpageを作るには日頃の精進が書かせない。よそのサイトで"これは"と思った表現があったらソースコードを調べ自分用の Tipsを作っておこう。

HTMLを作るに注意しておくことがある。
Macやパソコンではファイル名に漢字やカナが使えるし、ファイル名の英大文字小文字の 区別はない。だがほとんどのサーバーはUNIXマシンで、ファイル名の漢字カナは認めら れず、英大文字小文字は異る文字として区別される。これはURLも同じだ。
あとでチェックするのは面倒なのでURLやフォルダ名、ファイル名は最初に命名のルール を決めて書き方を統一しておく。また、Macやunixには拡張子の制限はないのでxxxx.html と書けるが、Windowsでは拡張子は3文字までと決まっているので xxxx.htmというファイ ル名を使う。Windowsマシンで xxxx.htmとして作ったファイル名やリンク先をunixサー バー用に xxxx.htmlと書き直すのは大変なので、そのまま xxxx.htmでアップロードして も構わない。トップページ(ホームページ)は index.htmlでなければいけないサーバーも あるが、それ以外のページは xxxx.htmでも大丈夫だ。この情報はプロバイダに聞くのが 一番だ。Macやunixで開発するならファイル名の心配はいらない。

ディレクトリパスの表記法には絶対パスと相対パスがある。ディレクトリパスを絶対パ スで書くと、ディレクトリの構造を変更したとき、関連するすべてのパス名を変更する 必要が出る。これは変更と確認というなかなか大変な作業になる。相対アドレスで表し ておけばフォルダをどこに移してもURLを書き換えずにすむし、テストも容易だ。
例えば、次ぎのようにフォルダ、ファイルがあるとき

HomePage ---- folder1 ---- abc.html
          |
          |-- image1  ---- abc1.gif
          |            |-- abc2.gif
          |
          |-- folder2 ---- xyz.html
abc.htmlでabc1.gifを表示するには 絶対アドレス(パス)だと <IMG SRC="HomePage/image1/abc.gif"> となるが
相対アドレス(パス)では <IMG SRC="../image1/abc1.gif"> となる。

表示のテストは、15インチディスプレイだけでなく、13インチや17インチの画面も想定 して行なう。13インチのディスプレイでは、はがき大の画像(410x280pixel)で画面が 一杯になる感じを受けるし、15インチの画面では整っていたページでも、17インチの ディスプレイで表示したら間が抜けた構成に見えるということがよくある。
ブラウザの表示幅を変えても期待した構成が保たれるかのテストも必要だ。
Windowsではブラウザの表示の初期設定はフルスクリーンだが、すべての人がフル スクリーンで表示をしているわけではないし、Macではブラウザをフルスクリーンで 動かすことはまずない。ブラウザの表示幅を画面の2/3程度にして、同時に別のアプリ ケーションを使っている人は多い。表示幅を変えたとき構成が崩れてしまうと減点だ。

WWWはNetscape Navigator(NS)だけでなくMicrosoft Internet Exploler(MSIE) でも確認する必要がある。空行挿入や<P>タグの解釈など、両者のHTMLの解釈は 微妙に異なるところがあり、まったく同じ表示になるわけではないのだ。 NSの方がMSIEよりHTMLの構文チェックが厳しいので、まずNSで表示を確認しながら制作し、 最終チェックをIEで行なうと確認しやすい。

一応、形になったなと思ってもこれで終りにしてはいけない。
カーニハンとプローガーの名言に、「第1版ができたところでやめてしまってはいけない」 という言葉がある。日本には古来から推敲という言葉がある。いや中国だった。
最後にもう一度、できれば一晩過ぎてからコーヒーでも飲みながらブラウザで確認する。 余裕を持って接すると、また違った視点から見ることができ、完成度が上がる。 WWWを出してリンクを張ってもらうということは、出版することと同じだ。 イージーミスで訪問者の失笑を誘うことがないよう、最後にもう一度チェックする。

自分のパソコンの上でローカルのテストをしたらファイル転送ソフトウェアのFTPで、 サーバーの自分のフォルダーに作成したHTMLや画像ファイルを転送する。フォルダごと 転送すれば簡単だ。ファイルを転送したらブラウザで呼びだし表示して確認しよう。 ローカルで正常に動いていたらサーバーのマシンに依存する部分だけテストすればいい だろう。Windowsではファイル名の大文字、小文字を気にすることはないが、サーバー の多くはUNIXマシンだ。UNIXマシンではフォルダ名、ファイル名の大文字と小文字は 厳密に解釈される。URLなどサーバーが管理する名称も同様で、family/teddy.jpgと Family/teddy.jpgは別物として判断される。漢字や半角カナをファイル名などに使う こともできない。ファイル名やURLなどを中心に、期待どおりにリンクするか、画像は ちゃんと表示されるかをチェックする。
サーバーによってはFTPで仮の場所にファイルを転送し、そのファイルをtelenetで指定の フォルダーにコピーする方法を取るものもある。


表示、印刷と解像度の関係
WWWを表示するディスプレイの解像度はほとんどの機種で72ppiなので、WWW表示用の画 像は72ppiで出力する。 きれいな仕上がりの画像を作るには、ディスプレイ表示の4倍程度のの300ppi(pixel per inch) でスキャニングをし、144ppi程度の解像度の画像に変換する。この画像で加工を進めて 最後に72ppiで出力する。最終画像を修正するときは144ppiの絵に戻って加工をして、もう 一度72ppiで最終画像を出力する。
gif形式の画像で編集を重ねると画像が汚れるので、最終画像をgif形式にするときは TIFF形式、PICT形式、Photoshop形式などの画像で加工を進め、最終画像をgif形式で 出力する。最終画像をjpegで出力する場合も同様で、加工の間はjpeg形式の画像は 使わない。jpegは非可逆圧縮なので、圧縮されるときデータが間引かれ、元のデータ には戻らない。
加工を1670万色でやるか、256色で進めるかは画像の状態で判断する。 写真であれば1670万色で加工するケースが多いが、イラストなら256色でも可能だ。
Photoshopを使うときは、Photoshop形式の画像で加工、保存をおこない、目的により gif、jpegなどで最終画像の出力をする。Photoshop形式で保存しておけば、レイヤーや チャネルが残せるので修正や再利用が容易だ。

72ppiでも144ppiでも480 x 360 pixelの画像は 480 x 360 pixelの画像の大きさでWWW の画面に表示される。だが、印刷するときは144ppiの480 x 260 pixelの画像は72ppiの 同じピクセル数の画像より縦横が半分の大きさ(面積は1/4倍)で印刷される。
プリンタで印刷する場合の画像解像度は、プリンタの解像度の1/3(1/4の場合もある) が目安になる。720dpi(dot per inch)のプリンタで印刷する場合は最終画像は 240dpiにする。
オーサリングは最終解像度の整数倍の解像度で行ない、最後に最終解像度を変換するのは 画面表示用、印刷用とも同じだ。
ディスプレイで表示するときは、解像度に関係なくピクセル数で表示の大きさが 決まり、144ppiでも72ppiの解像度でも640x480pixelあれば画面一杯に表示されるが、 プリンタで印刷する場合は、

  640x480pixelの画像ファイルの場合
      72dpi の解像度では -->  約22.5cm x 17cm
     144dpi の解像度では -->  約12cm   x  8.5cm
の大きさで印刷される。
印刷物では、高品質な印刷画像を作るにはスクリーン線数の2倍の画像解像度が最適と いわれている。本や雑誌の写真などは、175線(スクリーン線数)で印刷するので350ppi の画像解像度が欲しい。最低でもスクリーン線数の1.25倍の画像解像度が、高品質な 印刷画像を作るには必要だ。印刷を目的とするときはインクによるの制約も出るので、 カラープロセスはをRGBでなく、SMYKで行なう。
あまり解像度を上げるとファイルサイズが大きくなるので、マシンの能力に見合った 解像度が現実的だ。バックアップシステムもディスケットではつらい。
画像ファイルについては、第11章の画像ファイル形式に 資料がある。


ゴーストサイトは作らない

せっかくWWWを作っても、誰も見てくれなければ意味がない。 どうすれば皆んなが読んでくれるWWWになるのだろうか。
逆にどんなWWWが嫌われるのか考えてみよう。

読まれないWWWの条件

1. 表示が遅い
ダウンロードに時間がかかる
1分経っても何も表示されない
2. いつ見ても同じ
作りっぱなし、更新されない
新しい情報が期待できない
3. 反応、動きが鈍い、重い
操作しにくい
表示がスムースでない
のろのろとしか表示されない
4. 内容が面白くない
読みたいことが書いてない
自分の都合に終始する
中身が薄っぺら
5. ブラウザが限定される、特別なプラグインが必要
指定のブラウザでないとうまく表示されない
指定のプラグインがないとプラグインをダウンロードするために、勝手にジャンプする

「表示が遅い」
1996年の終りにはインターネットへのアクセスの半数近くが、家庭からのダイアル アップIP接続で行なわれるようになった。ダイアルアップIP接続では、市内にアクセス ポイントがあっても3分10円の通話料金とブロバイダの接続料金がかかる。いまや接続 時間は財布に直結し、表示スピードへの関心は急激に高まっている。
遅々として変わらない画面を眺め続け、やっと現れた絵は大きなタイトルの文字だった というのでは、誰も寄りつかなくなって当然だ 。
一番敬遠されるのは重たいWWWで、重くなる原因は大きな画像、動画や音などだ。 文字は500行書いても20KB位のものだが、画像ファイルでは1枚が100KBを超えることは 珍しくない。100KBのダウンロードには28.8kbpsのモデムで30秒から1分以上かかるが、 その間じっと待っている我慢の人は少ない。遅いと感じればブラウザのツールバーの 「戻る」をクリックしデータを破棄して立ち去ってしまう。コンテンツに魅力あれば 数カ月先にもう一度くらいは訪れることもあるが、たいがいは「二度とここに迷い 込まないようにしよう」と自分に言い聞かせて終りとなる。
バナー広告を掲載するWWWも多いが、沢山の小さな画像のためにダウンロード が遅々として進まず、やっと表示されたら広告ばっかりだったというのも笑えない。

WWWを見るとき最初は警戒心が強くて、ちょっと待たされたり気に入らなかったりする とるとすぐ逃げ出すが、そのWebにだんだん深く入り込むにつれ抜けにくくなる。 自分の行為を徒労でなく意味のあることにしたいのは誰でも同じだ。平たくいえば元を 取りたいというケースで、ギャンブルで深みにはまって抜け出せないのと変わりないが、 これを利用しない手はない。
たまたま飛び込んだという気持ちが強いときは30秒でも待たされると遅いと感じるが、 「私が表示させる」という、はっきりとした意志を持ったときは1分でも待つものだ。 小さな画像をインデックス用としてはめ込み、大きな画像へのリンクを張れば、最初の ページの表示時間は少なくて済む。一枚目のページはできるだけ軽く作り、読み手が 意志を持ってリンクを押したら多少データ量が増えても期待に応えられる品位を持つ コンテンツを見せるような工夫をしたい。
IMG タグには WIDTH="xxx" HEIGHT="yyy"を必ず入れる。これがあると画像を表示 する場所が確保され、ダウンロードされるとすぐにALTで指定した文字が表示される。 ユーザーは反応を早く得ることができ表示スピードが速いように感じる。
WWWについてのアンケートの結果で、「ダウンロードに時間がかかりすぎる」、 「グラフィックスに凝るよりコンテンツを充実しろ」という厳しい意見が、 ともに50%を超えていることを覚えておこう。

「いつ見ても同じ」
TVの好きな番組は毎週その日が楽しみになるものだ。 だが、気に入った本やビデオでも一ヶ月で2回以上見ることは、ほとんどない。
WWWも同じで、新しい情報があるところは頻繁に訪れるが内容が変わらない WWWは次第に訪れる間隔があき、やがてブックマーク(お気に入り)から削除 される。
近所のJAのWWWは開設後4カ月で200回、6カ月間の訪問が340回だった。 次第にヒットの回数が少なくなり、今では月で50回くらいの訪問に減っている。この WWWは、上部団体の県の経済連がプロバイダを始めたとき開設して以来変更が なく、いつ見ても最初のページは大きなロゴと畑に一面のレタスの絵だ。
全然更新しないWWWは論外だが、いつどこが変わったか分からなければ、更新 しないことと大差ない。WWWが変えたら、その状況をはっきり伝えよう。 Last Update 199x.xx.xxとあれば、この前見たあとで更新されていることがわかる。 What's New などに何が新しくなったか書いておけば、うろうろしなくても見るべき ポイントが分かる。更新の経歴がたまれば、そのWWWの変更タイミングもわかる。
いつ行っても新鮮な情報があり、それが有用、有益なら訪問者は増え、ブックマークに 登録され、なじみ客となる。
「継続は力なり」なので信念をもって飽きずにせっせと更新する。
でも新聞のように15分ごとに更新が行なわれて、さっきの情報をもう一度見てみよう と思ったとき、すでに書き変わってしまっていて情報が手に入らないというのは普通の WWWでは困るだろう。ニュースのWWWでは昨日のニュースだけでなく半日前の記事が消 されることもある。ペルーの日本大使館の人質解放のニュースを見直そうとしたとき、 日本、米国、英国などの新聞関係のWWWはどんどん更新が進んでしまい、次ぎの日に なったら突入の記事は消え、人質から集めたテロリストのプロフィールやフジモリ 大統領の政治的立場のニュースばかりになってしまった。

「反応が遅い、動きが鈍い、重い」
スクロールしようとスクロールバーを動かしても、のろのろとしか表示が変わらない WWWがある。フレームを使ったページに多い。 フレームで大きな画面の一部を表示し、スクロールバーで画面を動かすのは、まるで 虫眼鏡で絵を見ているようで全体像が掴みづらくいらいらする。これで動きが 遅ければ途中で逃げられても当然だ。フレームを使ってもきびきび動かしている WWWもあるが、これらのほとんどはスクロールを一方向に限定しているし、13インチの CRTで表示されることも考慮している。
フレームのページにでくわすとすいすい操ってきたブラウザの動きが急に ぎごちないものになる。それまでブラウザの操作ボタンだけで動いていた画面が、 フレームの作者の意図した動きに合わせないとうまく表示されなくなるのだ。 直感的にブラウザを動かせば先に進むのと、考えないと表示したい画面に進めないのでは 操作性に大きな差がでる。
フレームを使ったWWWで、ブラウザのツールバーの「戻る」をクリックすると トップページまで戻るものがある。また、フレームから次ぎのページに進むとき、 新しくブラウザを開きながら進み、戻ろうとするとブラウザが何枚も表示されている こともある。<A HREF="xxxxx/xxx/" TARGET="XXXXX">の使い方に注意しよう。 充分に動きを確認し訪問者にストレスを与えないスムースなページ替えを考えたい。

gifアニメーションにも気をつけたい。gifアニメーションには2コマ以上の絵が必要だ。 1コマが9KBでも2コマで18KB、3コマで27KBと、動きを良くしようとすると思いのほか 大きなファイルになる。
Microsoft Internet Exploler v3.0(MSIE)やNetscape Navigator v3.0(NS)はメモリ上で gifアニメーションの処理をするが、Netscape Navigator2.0では一回一回ハード ディスクのキャッシュから画像データを読み込むため、gifアニメーションの表示 をするとハードディスクの音がうるさい。いろいろなブラウザがあることも考えておこう。


「内容が面白くない」
これはもちろん好みの問題だが、個人のWWWはその人のカラーが出ていて納得 できるものが多い。
面白くないのは企業のWWWだ。 会社名と会社の写真、ついで社長の写真と社長の言葉、経営方針の次ぎに経営陣の 紹介、最後に取引先リストとくれば、即「戻る」をクリックだ。 おまけに、この構成では更新も期待できないから再び訪れる必要もないが、 この手のWWWが鋳型で作ったようにあちこちにある。
インターネットユーザーのアンケートでは企業WWWへの不満として、 「一方的な情報提供」、「提供情報が宣伝にすぎない」という意見が毎回半数近くになる。

読みたくもないことが書いてある
経営方針
就職の情報を得るには多少役に立つのかも知れないが、 WWW全体から社風を読む方が、正確に会社の風土を掴める。
財務報告
この種の正確な情報を本当に欲しい人は、インターネットでなく税務署で入手する。
数年の連続した財務報告があるなら役に立つ。
社長の言葉
社長の言葉で面白いものがあったためしがないが、昔は会社でインターネット やるとき、トップを説得する言葉が「WWWの最初に社長の写真を置い て、その下に経営方針を入れます」だった。
経営陣の紹介
年寄りの顔がずらっと並んでいるだけ。美しくない。
書き手の自己満足
「私が私が私がうちがうちが私が私が私が私が」と書いてあれば誰だって読まない。
読み手のニーズに応えていないものは相手にされない。

ニーズに応えなきゃね
インターネットに関する様々なアンケートの結果をみると、人気のあるWWWの 条件は次ぎの3つだ。

  1. 「知りたい情報を探しやすい」
  2. 「そこでしか得られない情報がある」
  3. 「繁雑に情報が更新される」
さらに、「情報量が多い」、「関連情報へのリンクが多い」という条件が続く。
ユーザーが満足するWWWは、ブックマーク(お気に入り)に登録される。 登録されれば当然再訪問の機会が増える。


知ってもらわにゃつまらんぞ

WWWができあがっても誰も見に来てくれないと寂しい。 世の中の人達に存在をアピールし訪問してもらうには、まず宣伝だ。
インターネットのアンケートには「検索エンジンからWWWのアドレスを得る」 という答えが多い。となれば、まずは検索サーバーにURLがあればキーワード探索で ひっかかることになる。
知らしむるには
検索サーバーに登録する方法
「Yahooジャパン」に登録する
登録ページを開いてWWWのタイトル、URL、コメントなどを登録し送信ボタンを押す
長すぎるとカットされるのでコメントは30文字以内にする
登録から掲載までに2週間程度かかり、登録が完了するとメールが届く
登録されたあと、違うカテゴリーにも登録したいときはカテゴリーの追加をする。
「NTT Directory」に登録する
登録ページにタイトル、URL、コメント、カテゴリなどを登録する
「infoNavigator」に登録する
登録ページにタイトル、URL、コメント、カテゴリなどを登録する
「Hole-in-One」に登録する
希望のカテゴリに進み、登録に入ってタイトル、URL、コメント、キーワード などを登録する
「CSJ index」に登録する
登録ページにタイトル、URL、コメント、キーワード、地域などを登録する
登録できる全文検索サーチエンジンも増えてきた。
「Open Text Index」に登録する
URLを登録するだけで検索に来てくれる
「TAITAN」に登録する
URLを登録するだけで検索に来てくれる
「Excite」に登録する
URLを登録するだけで検索に来てくれる
「mondou」に登録する
URLを登録するだけで検索に来てくれる
登録が面倒な人は「Submit it」がお勧めだ。ここに登録すれば、様々な検索 サーバーに代行登録してくれる。

検索サーバーへの登録は結構時間がかかる。10個のサーバーに登録するのに1時間以上 かかったりするので登録を始める前に準備をしておくと効率がいい。
検索サーバーへの登録は大きく分けると2種類あり、ひとつはURLのみを登録するもの、 もう一つはURL、メールアドレス、地域、キーワード、カテゴリー、コメントなどを 登録するものだ。登録のたびにいちいち文章を入力するのは面倒だし、URLを間違えた ら元も子もない。前もってURL、タイトル、E-Mailアドレス、キーワード(10個、30個など)、 地域名、紹介文(30字、40字、100字など数種類)などを登録用の文書として用意しておき、 そこからコピーする。

もう一つ身近なところで効果的な登録ができる場所がある。
自分のプロバイダのWWWを見てみよう。WWWを紹介をするコーナーが あるはずだ。ここの新着情報欄、ユーザーコーナーなどに紹介の掲載を依頼しよう。 掲載依頼の手順を見て電子メールで依頼をするのが一般的だ。
インターネット上で登録するだけでなく、既存のメディアにURLを宣伝するもの効果が ある。WWWをはがきに印刷し好きな雑誌に投稿しておこう。うまくいけば特集記事など で紹介してもらえる。


関係雑誌で紹介してもらう
アチャラ(リクルート社)に投稿する
アチャラのWWW の投稿欄に登録する。
自分のWWWに関係がありそうな雑誌に紹介の手紙を書く。
WWWを特集する企画があれば、紹介記事を載せてもらえる。


感性工学全開だ

頭の中にイメージがわき上がり、みるみる線を引いて、ハサミで手近な紙を切って マスクを作り、窒素ガスのエアブラシで色を吹き付けて、あっというまに一枚の絵を 完成させてしまう、シド・ミードのようなスーパークリエーターでない凡人の我々の 戦術は「比較」と「模倣」だ。
よく見るWWWがあれば、どうして惹かれるのか理由を考えよう。
「いいねえ」、「イモだな」だけでは進歩しないので、コンピュータ業界の セオリーである数値化でWWWの点数をつけてみよう。データが少しのうちは 何のことだか分からなくても、データがたまってサンプリング数が増えれば 分析に使える。これがデータの威力だ。


             WWW採点えんま帳

                       いいねえ ちょっといい  並  いまいちだな  だめ 
    洗練さ                 5          4        3        2         1  
    美しさ                 5          4        3        2         1  
    色づかい               5          4        3        2         1  
    レイアウト             5          4        3        2         1  
    情報のジャンル         5          4        3        2         1  
    情報の有用性           5          4        3        2         1  
    情報の量               5          4        3        2         1  
    情報の速さ             5          4        3        2         1  
    情報の希少価値         5          4        3        2         1  
    ダウンロード速度       5          4        3        2         1  
    操作性                 5          4        3        2         1  
    教養を高める           5          4        3        2         1  
    ほっとする             5          4        3        2         1  
    くだらなくて良い       5          4        3        2         1  
    ヒット数               5          4        3        2         1  

他人のWWWの点数をつけてみたら、自分のWWWも採点してみよう。 自分のWWWを他人の眼で見ることが肝心だ。

--- 自分のWWWを採点したら、ちょっと情けなかった。^^; ----

素晴らしいWWWにめぐり逢えたら、どうしていいと思えるのか、どうやって 表現しているのかを突き詰めたい。
まずはデータ収集からだ。Netscape Navigatorなら背景も含めて印刷できる。 イメージが得られればいいので、A4でなくても構わない。縮小してB5の用紙で残して おけば、インク代と印刷時間がだいぶ節約できる。 クールなWWWはクールな表現をしている。ソースをダウンロードしておいて HTMLの説明の本には書いてないうまい表示方法をあとでゆっくり確認しよう。
ブラウザのキャシュからHTML文書を再構成し、オフラインで表示できるようにするのも いい方法だ。
--- 第3章の箱庭つくろを参照 ---


ヒットカウンター
「あなたはxxxxxx番目のお客様です」というアクセスカウンター(ヒットカウンター) の表示は、WWWによってはそぐわない場合がある。
カウントはしたいがカウンターを表示させたくないときは、そのページのカウンターを 非表示にしてカウントーをセットし、別なページでカウンターの表示だけをさせて確認 すればいい。
カウンターを表示するページでは、アクセスでカウントアップをしないように カウンターを設定する。自分はそのページに秘密の入口からリンクするのだ。 "."(ピリオド)や"-"(マイナス)からリンクを張っておけば、まず気づかれない。
カウンターの細かい設定方法は、たいがいブロバイダのWWWに書いてある。


********** JavaとJavaSript **********
HTMLの表現力に限界を感じるとき、強力な味方はJavaと JavaScriptだ。
JavaScriptはHTML文書にJavaScriptの命令を直接書き込めば動く。 画像をかわるがわる表示したり、カーソルが画像の上きたら違う画像を表示させる こともできる。変数や配列が使え、もちろん関数も使える。
表示だけでなくFormの入力のチェックや、入力した数字を計算して再表示するなどと いうこともできる。インターネットには Cool JavaScriptなど 参考になるサイトが沢山ある。
Javaを使うときはJavaのプログラムソースを書いてコンパイルしてAppletを作り、 これをHTMLから呼ぶ。Javaの開発環境を作るには Javaの総本山、Sunのサイトから JDK(Java Developers Kit)をダウンロードする。 Webサイトで使うような小さなAppletはインターネット上で集めることができる。 Yahoo! JAPANの「コンピュータ/ インターネット」の「言語」のJavaの項で紹介されているJava関係のサイトでAppletや チュートリアルを手に入れることができる。Javaはお遊びAppletだけでなく本格的な アプリケーションを開発することもできる言語だが、まだ言語として熟成していない ようだ。今のCPU速度とブラウザの性能もJavaの動作環境としては不足している。
JavaやJavaScriptはHTMLでは表現できないさまざまな機能を実現できるが、つい画像を 多く使ったり音を入れたりとデータのサイズが増えてしまう。1枚のページのサイズが 大きくなるとダウンロードに時間がかかるのでデータ量には注意したい。
JavaScriptはブラウザによって動作の制約がある。例えばCaseやSwitchというコマンドは Netscape Communicater v4、Internet Explorer4.0以上でないと動かない。 Javaはブラウザによって動作の制約があり、日本語が化けたり動かなかったりすることが あるし、タスクが重なると動きが遅くなる。ブラウザにJavaバイトコードを変換する プラグインも必要になる。これを読み込むことにより沢山のメモリが必要になったり、 実行速度が落ちることもある。ブラウザの速度を落さずダウンロードも素早くてしかも 洒落た使い方をしたい。
Java、JavaScriptともに同じバージョンのブラウザでもMacintoshとWindowsでは動きが 異る場合がある。両方のOS上でおのおののブラウザでの動作確認が必要だ。


果報は寝て待て

さて検索サーバーに登録したら千客万来、自分がサーバーから外のインターネットに アクセスできなくなるほど、世界中から見に来てくれるわけではない。 ジャックポットがでるのは稀で、大概訪問者はぽつりぽつりだ。
日々のアクセス記録を取って、いつ何人が訪問してきたかが分からないと次ぎの手を 効果的に打つことができない。このためには訪問者の数を数えるアクセスカウンターは 必需品だ。アクセスカウンターはサーバーのCGIプログラムで、指定したページが ダウンロードされた回数を数えるものだ。これについての説明はプロバイダのWWWに あるはずだが、アクセスカウンターはサーバーにより設定の方法が違うので、面倒な ときは同じサーバーにあるWWWの気に入ったカウンターの使い方のHTMLソースをコピー し、書き直して使えばいい。

カウンターを設置したら数字の動きを見てみよう。 WWWを設置してすぐどっと見てきてくれていたら、始めの宣伝は成功したということだ。 3カ月たってもぽつぽつとしか訪問者がいなかったら、運が悪いのか、呪いがかけられ ているか、サーバーがダウンしているか、さもなければ宣伝不足だ。

こんなに役にたつ情報を、こんなにきれいに作っているのに...と思うのは制作者だけ かも知れない。自分が他人になったつもりで客観的に見直してみよう。
「ゴーストサイトは作らない」感性工学全開だ のWWW採点えんま帳でもういちどチェックしてみよう。
できがいいのに訪問者が少ないのはマーケットにも原因がある。 インターネットアンケートによるとインターネットにアクセスしている人間の ステレオタイプは次ぎのようになる。

25歳から35歳の理系の男性で
新しい技術に興味を持ち
インターネットには楽しみを求めて毎日アクセスし
五人のうち二人は情報の発信に関わっていて、
六人に一人は自分または会社などのWWWを作っている。
これでは山屋さん(登山、クライミング)のための情報WWWや古典芸能の紹介WWWは うけないのは当然だ。 アクセスカウンターを増やしたければメジャーな話題でWWWを作るのがてっとりばやい。 例えばHTML、Java、ネチケットなどのインターネット関連WWWはアクセス数が多くなる。

ヒットが欲しいあなたに>